皆さんもご存じの通り、登山は常に危険と隣り合わせです。
私も登山中に滑落、ケガ、道迷いなど何度か危険な目に遭っています。
それでは、登山にはどのような危険性があるのかをご紹介します。
■初心者が把握しておくべき危険性
- ・道迷い
遭難事故で最も多いのが道迷いです。登山道から外れたと思ったらすぐに引き返しましょう。
このまま進めば目的地にたどり続けると思って先へ進むとどんどん状況が悪化してしまいます。
道迷いを防ぐためにはこまめに位置を確認することが大切です。
- ・滑落
滑落を防ぐためには事前に安全な登山ルートを調べ、危険個所を極力避けるように心がけます。
また、「危ないかも」と思ったら引き返す勇気も大切です。
- ・転倒
滑落・転倒事故の多くは疲労によってパフォーマンスが低下する下山時に発生します。
事故を防ぐためには日ごろから長時間の登山に耐えられるように体力をつけて、無理のない登山計画を立てるように心がけましょう。
- ・低体温症
登山にコットンのTシャツやウェアはNGです。
登山をすれば汗をかきます。素材がコットンの衣服は汗で濡れても乾きにくく、早く乾かさないと体がどんどん冷えてしまいます。
ポリエステルなどの化学繊維の服を着ていきましょう。
- ・熱中症
山は平地以上に熱中症のリスクが高い場所です。
登山は体温が上がりやすく、水分も不足しやすく、また、体調不良にもなりやすいスポーツです。
登山前はしっかり睡眠をとり、朝食もしっかり食べて、また、登り始める前には水分補給も行います。
登山中は喉が渇く前に水分補給をします。一度に飲むのではなく、少しづつ飲みます。
また、塩分も不足しやすいので、行動食で塩分を補給します。
- ・野生動物(熊など)
熊などの危険な動物に遭遇しないためには熊よけの鈴を鳴らして人の存在を熊に知らせます。
熊は人の存在に気付くと避けることの方が多いです。万が一熊と遭遇してしまったら、落ち着いて静かにして、歩いて熊から離れます。
絶対に大声を出したり走ったりしてはいけません。
■死亡より恐ろしい最悪のケース
万が一死亡事故を起こしても絶対に避けなければならないことがあります。
それは「行方不明」になることです。崖から転落すると人が立ち入れない場所で死亡するかもしれません。
雪崩に巻き込まれてしまうと、大量の雪に埋もれてしまい、どこまで流されたか全く見当がつかなくなるかもしれません。
このような場合、死亡後に発見されず、そのまま行方不明になってしまう可能性があります。
行方不明になってしまうと、遺族に経済的な負担が発生してしまいます。
遭難すると、まず遭難者を探すために救助隊が出動します。救助の費用は遭難者を発見できなくても発生します。
たとえ山岳保険に加入していても行方不明のままでは保険金が下ることはありません。
行方不明者が死亡と認定されるまで、行方不明になってから7年もかかります。
死亡して遺体が発見されなければ、死亡ではなく失踪扱いとなります。
失踪扱いとなれば、所属会社で退職ではなく無断欠勤による解雇となり、退職金を受け取れなくなります。
このように遺族は悲しみだけでなく、経済的な負担まで強いられてしまいます。
■最後に
登山前には家族に行先を伝え、登山当日は登山口で登山届を記入し、提出しましょう。
これにより万が一遭難しても救助隊の捜索範囲が狭くなり、発見・救助される確率が大きく上がります。
【Webマスターコメント】
----------------------------
危険回避のためにどのような工夫や注意が必要かを伺ったところ
「登山計画はメインルートの他に、万が一不測の事態が生じても安全に下山できるようエスケープルートを事前に調べます。また、登山中は各チェックポイントの到着時刻を必ず確認し、登山を続けても問題ないかを判断しています」
とのことでした。
山は景色がとても綺麗ですが、いざ登るとなると危険がつきものであることがよく分かりました。
嫌な思い出にならないように入念な準備をしてから山に登りましょう。
----------------------------